森でつながる、
世界の知
日本とフィンランド・スウェーデンは、カーボンニュートラルやサーキュラーバイオエコノミーへの転換、森林の多機能利用、高齢化社会への対応といった多くの共通課題を抱えている。
しかし日本では、大学発の新たな技術や発想から十分なイノベーションが生まれておらず、国際的な先進機関との連携がその打開策となり得る。
現在、革新的な研究を展開するフィンランド自然資源研究所(LUKE)を主とした海外の研究期間との連携を通じて、若手研究者による共同研究やシンポジウムを実施し、拠点の研究開発力と国際的な存在感を高めることを目指している。
LUKEを欧州のハブ機関と位置づけ、フィンランドやスウェーデンの大学・研究機関・企業との多面的な連携を推進し、既存課題の深化と新たな課題の再構築を通じて、これまでにないイノベーションの創出を図る。
研究内容
共同研究開発
秋田COI-NEXTでは、若手研究者が主体となって、フィンランドやスウェーデンをはじめとする連携機関の研究者と協働し、国際的な共同研究開発を推進している。
取り組むテーマは、森林資源の高付加価値化や、サーキュラーバイオエコノミーに立脚した自然資源の社会実装など、日欧で共通する課題に根ざしている。
こうした国際連携の枠組みの中で、研究者間の継続的な交流に加え、材料の相互提供や試験環境の共有、共著論文の作成など、実質的な共同研究が着実に進んでいる。
これにより、若手研究者の育成とともに、拠点全体の研究開発力の底上げと、国際的な研究ネットワークの強化を目指している。

ビジネスミーティング
参画機関間の相互理解を深め、連携関係の強化と共通する研究開発課題の抽出を図ることを目的に、日本とフィンランドの関係者による定期的なビジネスミーティングを開催している。
ミーティングは、日本およびフィンランドの両国で開催されており、開催地や時期に応じて柔軟に調整されている。
各機関の研究シーズや技術ニーズの紹介に加え、社会実装に向けた方向性や制度的課題についても意見交換が行われ、研究者のみならず行政関係者や民間企業も交えた多様な議論が展開されている。
こうした継続的な対話を通じて、異分野・異文化間の橋渡しを進め、プロジェクト全体の国際的展開と持続可能な協働体制の構築を目指している。

国際シンポジウム
国際的な研究交流を促進し、研究シーズの発掘や新たな協働の契機を創出することを目的として、国際シンポジウムを定期的に開催している。
本拠点が有する研究開発課題や連携先の取り組みを広く発信するとともに、異なる専門領域や文化的背景をもつ研究者同士の対話を通じて、新たな連携の芽が生まれている。
これらのシンポジウムは、研究成果の共有にとどまらず、次世代の研究者が国際的な視野を育む場としても機能しており、拠点の知的ネットワークの拡張と、持続的な国際共創の基盤形成に寄与している。

メンバー
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高田 克彦
Takata Katsuhiko
秋田県立大学 木材高度
加工研究所
所長 / 教授 -
Firas Hawasly
Firas Hawasly
秋田県立大学 木材高度加工研究所
URA -
元田 多一
Taichi Motoda
秋田県立大学 木材高度加工研究所
特任助教 -
安藤 大将
Ando Daisuke
秋田県立大学 木材高度加工研究所
助教 -
工藤 佳代
Kayo Kudo
秋田県立大学 木材高度加工研究所
助教
研究実績
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